慢性疾患

生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常)

高血圧

病態

 血圧とは、血液が全身に送り出される際の血管にかかる圧力のことです。この圧力が基準値以上続く状態を高血圧といいます。

症状

 高血圧の自覚症状として、頭痛、めまい、肩こり、むくみ、動悸などが起こることがあります。しかし、これは一概に高血圧による症状とはいえません。はっきりした自覚症状がないため、知らないうちに高血圧が進行し、気づいたときには脳卒中、心筋梗塞や腎不全などの合併症を起こしてしまうことが少なくありません。高血圧の怖さは、こうした合併症を起こしてしまうことにあります。

診断

 家庭での血圧を毎日継続的に測定・記録していただき、平均が収縮期135mmHg以上もしくは拡張期85mmHg以上の場合に高血圧と診断します。

治療

 食事や運動による生活習慣の修正と内服薬で血圧コントロールを行います。

糖尿病

病態

 糖尿病はインスリン作用の不足に基づく慢性の高血糖状態を来す代謝疾患です。健常者では、空腹時の血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)は110mg/dl以下であり、食事をして血糖値が上昇しても膵臓からインスリンが分泌され2時間もすると空腹時のレベルに戻ります。インスリン分泌低下あるいはインスリン抵抗性を来すと、食後の血糖値が上昇し、しだいに空腹時の血糖値も上昇してきます。1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。

症状

 高血糖による症状としては、口渇、多飲、多尿、多食、体重減少、体力低下、易疲労感、易感染などがあります。

原因

 40歳以降に起こりやすくインスリン分泌の低下あるいはインスリン抵抗性によって骨格筋などでの糖の利用が悪くなり高血糖を来します。2型糖尿病は多因子遺伝で家族性に起こります。日本での患者数は急激に増加し、最近では50歳以上の人の約10%が2型糖尿病です。

治療

 過食や肥満、運動不足などの生活習慣の乱れを食事療法や運動療法により改善することで血糖値は低下します。食事療法や運動療法のみで不十分な場合にはインスリン分泌を刺激する薬剤やインスリン抵抗性を改善する薬剤、ブドウ糖の吸収を遅らせる薬剤が必要になります。

脂質異常症(高脂血症)

病態

 高脂血症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる病気のことをいいます。
最近、高脂血症は、脂質異常症と名前が変更になりました。
 「高脂血症」には、トリグリセライド(中性脂肪)が多い高中性脂肪血症、LDL(悪玉)コレステロールが多い高LDLコレステロール血症、HDL(善玉)コレステロールが低い低HDLコレステロール血症があり、3つのうち1つでも当てはまると、「高脂血症」と呼んでいました。

症状

 高脂血症は、高脂血症だとはっきりわかる自覚症状がないため、症状だけで高脂血症を早期発見することは難しい。
 しかし、高脂血症を放っておくと、増えた脂質がどんどん血管の内側にたまってしまい、そして知らないうちに体の血管が傷ついてしまい、動脈硬化を引き起こす恐れがあるため、定期的に病院での健診(健康診断)を受けることが重要です。
 高脂血症 → 動脈硬化 → 心筋梗塞・脳梗塞

原因

 高脂血症の原因としては、食生活・食事が大きく影響していると考えられます。たとえば、動物性脂肪の多い高カロリー食は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質を増加させます。

治療

 食生活の改善と適度な運動を行い、不十分な場合には異常な脂質に応じてそれぞれ内服薬による治療を行います。

 

関連記事