慢性疾患

ぎっくり腰(急性腰痛症)

症状・原因

 急性とつきますが、痛みの出方が慢性疾患と同様なので、この項で述べていきます。

 ドイツ語では“魔女の一突き”といわれ、急激に起こる腰痛を総称して、ぎっくり腰といいます。激しい腰痛のため体動困難になります。起き上がりや立ち上がり、寝返り、洗顔や靴下を履くことさえ痛みが出ます(図1)。

ぎっくり腰

(図1)

 ヘルニアや狭窄症など他のクライテリアのものは除きます。筋・筋膜性のもの、椎間板や正中にある棘上、棘間靭帯由来のものなども考えられますが、大多数は椎間関節由来の痛みと推定しています(椎間関節症の項参照)。重量物挙上や急に運動して強く腰を捻転した際に、関節にデブリが生じるなどして炎症が起こったものと考えられます。デブリのことや、一過性のものであることも寝違いと似ています。

治療

 消炎鎮痛剤や外用薬、(コルセット装着による)局所安静や理学療法、更には椎間関節ブロックなどで多くは10日以内に治癒します。

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